ワンポイント・ぜみなーる

第11回「水源地生態研究セミナー」開催   平成20年9月22日

(財)ダム水源地環境整備センター
研究第三部兼調査第二部 滑川 和臣
 

 

 

パネルディスカッション

大阪府立大学 教授 谷田 一三 氏

 財団法人ダム水源地環境整備センターは、「第11回水源地生態研究セミナー」を平成20年9月22日にNTT夢天神ホール(福岡県福岡市)において開催しました。このセミナーは、ダムが生みだす生態系を科学的に把握し、水源地域の保全のあり方を探求することを目的とした 研究組織「水源地生態研究会」と深く関係しています。同会はその前身である「水源地生態研究会議」から今年度改組し、新たな研究を開始していることから、今回のセミナーでは、これからの同研究会の進むべき道、または水源地やダム、河川の保全に関わる研究がどうあるべきかを議論しました。
 同研究会は水圏生態と陸上生態の二つの研究委員会で成り立っていますが、これからのダムを巡る生態研究の目指すべき点について、水圏生態研究委員会の委員長である谷田一三氏(大阪府立大学大学院理学系研究科 教授)に「日本型ダム湖・ダム河川の陸水学を目指して」と題する講演を頂き、続いて陸上生態研究委員会の委員長である江崎保男氏(兵庫県立大学自然・環境科学研究所 教授)に「森に うかぶ人造湖、ダムをどうとらえるか」と題する講演をいただきました。
 「パネルディスカッション」では、小野勇一氏(水源地生態研究会アドバイザー 北九州市立いのちのたび博物館 館長)をコーディネーターとし、同研究会の活動主体である6研究グループのグループ長、谷田一三氏、江崎保男氏、辻本哲郎氏(名古屋大学大学院工学研究科 教授)、大森浩二氏(愛媛大学沿岸環境科学研究センター 准教授)、中村太士氏(北海道大学大学院農学研究院 教授)、薛孝夫氏(九州大学大学院農学研究院 准教授)をパネ リストとして各グループの研究目的・計画について会場も交えた活発な議論をしました。  200名の参加者を集めたセミナーは、盛況の内に幕を閉じました。
 最後に、このセミナーは研究会の参考となるばかりでなく、この研究会と他の研究者との研究の関わり方、水源地生態に関連する分野に対する大きな役割を果たすと信じています。
 




第8回水源地域活性化リーダー養成研修の開催  平成20年7月9日〜11日

       

国土交通省 土地・水資源局水資源部
水源地域対策課 計画係長 鵜飼宣行
 

 

 

研修風景

薮原祭り見学

体験・学びのプロジェクト

食の塩梅プロジェクト提供

宿泊施設

 7月9日から11日までの3日間の日程で長野県木曽郡木祖村の独立行政法人水資源機構の味噌川ダム管理所と、味噌川ダム周辺で活動を展開する水の始発駅フォーラムの活動地域を舞台として、第8回水源地域活性化リーダー養成研修が行われました。
本研修は、全国各地のダム等の水源地域において、その周辺地域の活性化を担う地域リーダーを養成することを目的として、平成14年1月の第一回開催以来、毎年1月に東京で開催していましたが、地域の活動が活発に行われている「現場」での体験を研修に組み入れる観点から、平成17年度よりダム所在地において開催しているものです。
今年度の研修については、地域活性化には経済効果(金銭的なメリット)が不可欠であるとの認識から、「本物の体験プログラム」による地域振興に成果をあげている南信州観光公社の事例や、地域マネージャーとしての心構えや配慮についての講義、水の始発駅フォーラムの活動地域の見学等、具体的・実践的な内容を盛り込んだ形で実施しました。

○研修内容
 一日目
 ・味噌川ダム見学
 ・リーダーとしての意見集約方法
  (講師による簡易KJ法の実習)
 ・受講者の地域の課題と取組(各研修生からの発表)
 ・地元で続く薮原祭の見学
 二日目
 ・木曽川における流域連携の取組(副村長からの講義)
 ・水の始発駅フォーラムの各プロジェクトの見学・体験
  (四季の彩プロジェクト、体験・学びのプロジェクト、食の塩梅プロジェクト)
 ・受講者の地域の課題と取組(各研修生からの発表)
 ・流域一体化の取組のために(講師による講義)
 三日目
 ・南信州観光公社の取組(講師による講義)
 ・代表事例を共通の題材とした全体研究
  (各研修生からの発表を踏まえた意見交換と講師からのアドバイス)

 今回の研修では、神奈川県から長崎県までの全国各地から13名の研修生(市町村職員、NPO職員等)にご参加いただきましたが、水源地域の活性化という同じ目的を持って仕事や活動をされていることから、それぞれの取組に興味を持たれていることで、すぐに打ち解けられ、講義の合間にも熱心に議論を交わされるため、講義時間になっても席に戻られていない方もおられるなど、事務局側としてうれしい悩みもありました。
また、分刻みのスケジュールによる各研修場所の移動や、食の塩梅プロジェクト(木祖村の食文化の掘り起こしや、地場の素材を活かした新たな料理の開発等の検討を行うプロジェクト)において提供された食事を取る時間も研修時間として利用するなど、みっちり講義等が詰まった少々ハードな日程でしたが、皆さん積極的に質問や意見交換を行うなど充実した3日間を過ごされたようでした。
また、コテージ等での宿泊のため、テレビもなかったことから、深夜まで議論されるなどより交流が深まったようでした。そんなこともあり、その後も連絡を取り合われ交流をされているようで、この研修がきっかけとなって新たな交流の輪が広がるなど、研修内容以外の部分での良い効果も現れているようです。
今後においては、これまで研修を受けられた方の意見も参考にしつつ、今まさに地域で求められているリーダー養成のために必要な知識・ノウハウを提供できるような研修として、継続していきたいと考えています。