水源地域ビジョンの活動紹介

(財)ダム水源地環境整備センター
ダム広報センター

■「水源地域ビジョンとは」

 水源地域ビジョンとは、ダム及びダム周辺の豊かな自然及び水源地域の伝統的な文化活動を利用した水源地域の自立的、持続的な活性化の方策とともに、ダム事業者・管理者及び関係行政機関が行う支援方策等を定めるものであり、人づくりや既存施設の有効活用の推進等のソフト対策に重点が置かれています。
 水源地域ビジョンは、国土交通省直轄ダム、水資源機構ダムで平成13年4月から作成が開始され、現在112ダムで作成されています。
 水源地域ビジョンは、ダム管理者、河川管理者、水源地域自治体、青年会議所、観光協会、水道・発電事業者、河川利用者等と連携のもと作成されます。水源地域ビジョンが作成されますと、推進連絡協議会や推進委員会のもと地域の連携により、ビジョンに合った活動を推進します。

>>水源地域ビジョン(国土交通省)

■「水源地域ビジョンの活動」

 水源地ネットでは、水源地域ビジョンが作成され、それに基づき活発な活動をしている事例を紹介しています。
 これらを参考として全国ダムの水源地域ビジョンによる水源地域活性化がより推進されることを期待しています。
 水源地ネットに他のダムの参考となるような水源地域活動状況の情報をお寄せください。


■事例紹介


湯田ダム水源地域ビジョンの推進活動状況(湯田ゆだダム)

 
 

▲湯田ダム


 湯田ダムは1964年(昭和39年)10月に北上川水系和賀川に建設され、東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所で管理されています。 
 湯田ダム水源地域ビジョンは、湯田ダムビジョン策定委員会が平成14年11月に 設立され、平成17年3月ビジョン策定までの間、委員会、分科会、座談会など頻繁に 会合を重ね、「基本理念」と「ビジョン目標」を定めています。
 さらに、この委員会等では、ビジョンの目標を実現するための「基本方針」毎に 「取り組みの視点」を定め、実施時期と実施主体を示した具体的な「実施メニュー」 (135メニュー)まで定めており、このことが策定後の活発なビジョン活動につな がっているものと考えられます。
 ビジョン策定直前には、湯田ダムビジョン・シンポジュームやシンポジュームこど も会議等が開催され、ビジョンの内容を報告するとともに、地域住民や子供たちに参加意識の高揚を図っていることも特徴のようです。

 今回の活発な活動状況はで、ホームページ(http://www.thr.mlit.go.jp/kitakato/104vision/index.html)などで情報公開されている湯田ダムの水源地域ビジョンを水源地域ビジョン事務局の佐井さんに紹介して頂きました。


1.水源地域ビジョン策定


・平成17年3月


2.水源地域ビジョン推進母体設立 (平成18年6月:湯田ダムビジョン推進協議会設立)


設立 平成18年6月

協議会の構成 (平成23年度)

 学識経験者、西和賀町、北上市、日本野鳥の会北上支部、雪国文化研究所、(株)岩手日報社、岩手県県南広域振興局土木部北上土木センター、岩手南部森林管理署、国土交通省東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所、NPO法人西和賀文化遺産伝承協会、森っこの会、沢内地理学協会、夢追い人かじか組合、NPO法人いわてNPO−NETサポート、和賀川流域のきれいな水循環を推進する協議会、こどなの会、かたごの会、錦秋湖舟下り実行委員会、秀衡街道探査会、湯の華会、カタクリの会、NPO法人わが流域環境ネット、和賀川の清流を守る会


3.基本理念 (和賀川流域−活きる水・育む自然・つながる人)

       
 

▲湯田ダムビジョンイメージ図

     

4.基本方針

  1. 自然の保全と文化の継承
  2. 資源を活かす地域づくり
  3. 住民参加と地域連携


5.湯田ダムビジョン推進協議会活動の経緯(概要:地域活動含む)



雪あかり
(平成●年度)

西和賀ネイチャー森川湖
マイスター講座
(平成21年度)

西和賀遊び紀行THEWALL
(平成21年度)
子どもの環境学習
(平成●年度)


  1. 平成18年度 協議会設立・総会2回・錦秋湖舟下りプロジェクト始動・錦秋湖湖水まつり・湯田ダム水源地見学ツアー・西和賀遊び紀行BOWLJAM開催・きんしゅうこものしり館開館・他

  2. 平成19年度 総会1回・錦秋湖船下り体験開催・錦秋湖湖水まつり・錦秋湖湖上ステージこけらおとし・湯田ダム水源地見学ツアー・湖面利用連絡会議・さわうち雪氷まつり・防災ヘリ「みちのく号」による流域調査・活きる水/育む自然/つながる人「県南流域交流フォーラム」開催・第一回みちのくダム湖サミット開催・他
  3. 平成20年度 総会1回・10周年カタクリまつり・錦秋湖湖水まつり・湯田ダムビジョン河川安全講習開催・錦秋湖ふれあいフェア開催・森と川のスキルアップ講座・湯田ダム水源地見学ツアー・さわうち雪氷まつり・西和賀遊び紀THEDAY開催・湯田ダムビジョン和賀川流域調査・情報交換会・雪あかり・他

  4. 平成21年度 総会1回・錦秋湖湖水まつり・西和賀ネイチャー森川湖マイスター講座始動・湯田ダム水源地見学ツアー・さわうち雪氷まつり・西和賀遊び紀行THEWALL開催・ビジョン和賀川流域魚類調査実施・他

  5. 平成22年度 総会1回・ハナカジカの棲める川づくりプロジェクト始動・錦秋湖湖水まつり・湯田ダム水源地見学ツアー・遠巣谷のアーティスト展開催・さわうち雪氷まつり・西和賀遊び紀行開催・外来種オオクチバス駆除実施・COP10パートナーシップ事業『生物多様性フォーラムin西和賀2010』開催・雪あかり・他

  6. 平成23年度 総会2回・和賀川の清流を守る会40周年行事協力・和賀川ゴムボート川下り大会・湯田ダム水源地見学ツアー・和賀川の川と森に癒される体験開催・『ふるさとを外来種から守ろう!アレチウリ駆除大作戦』実施・雪あかり・和賀川の川や森に触れる体験学習開催・震災復興祈念事業「西和賀遊び紀行“SNOW SESSION 〜 Pray to the Earth 〜 絆”」開催・他

  7. 平成24年度予定 総会1回・錦秋湖湖水まつり・第1回西和賀ざっこ釣りコンテスト・和賀川ゴムボート川下り大会・湯田ダム水源地見学ツアー・さわうち雪氷まつり・「アレチウリ駆除大作戦」・雪あかり・他
  8.    

    >>参考資料:湯田ダムビジョン経緯(PDF)





6.近年の主な活動


 (1)平成22年10〜11月:外来種オオクチバス駆除


 西和賀町無地内にある廻戸沼釣り公園では、平成5年頃に秋田県八郎潟から持ち込まれたオオクチバスが繁殖していました。 また、錦秋湖(湯田ダム湖)内においても近年の調査でオオクチバスの生息が確認され、廻戸沼からダム湖へ流入している可能性があることから、平成22年10月から11月にかけて湯田ダムビジョン推進協議会の呼びかけにより、オオクチバスの駆除作業が行われました。
  駆除作業は、西和賀淡水漁業協同組合、NPO法人西和賀文化遺産伝承協会、カタクリの会、錦秋湖ヘラブナ研究会のほか、西和賀町、北上市、岩手県、湯田ダム管理支所や流域住民たちが協力しあい作業にあたりました。

     

 

         
 >>参考資料:西和賀生物多様生保全事業「特定外来種オオクチバス駆除事業」(PDF)


 (2) 平成23年9月27日:『ふるさとを外来種から守ろう!アレチウリ駆除大作戦』


 錦秋湖(湯田ダム湖)周辺で繁殖している特定外来生物アレチウリを駆除することを目的とした「ふるさとを外来種から守ろう!アレチウリ駆除大作戦」が実施されました。
 この活動は、湯田ダムビジョン推進協議会が主催となり実施した取り組みで、西和賀町の焼地台公園周辺(湯田ダム貯水池内)のアレチウリを、抜取りと刈り取りにより駆除したものです。駆除活動には、流域住民のほか、カタクリの会、NPO法人わが流域環境ネット、日本野鳥の会北上支部、錦秋湖舟下り実行委員会や西和賀町、北上市、湯田ダム管理支所等が参加しました。


     

 

         
  >>参考資料: ふるさとを外来種から守ろう!アレチウリ駆除大作戦(PDF)

7.湯田ダムビジョンの推進状況


 湯田ダムビジョンでは、平成17年3月に策定された行動計画(全135計画)について、年度毎に「とりまとめ・評価」をして協議会で相互に確認しあいながら推進しています。平成23年度の実施率は78%172事業(前年度81%)となっています。
 また近年の主な活動では、特定外来種オオクチバス駆除に続き、侵略的外来植物アレチウリの駆除に着手しました。そのほか、東日本大震災の影響を受けながらも、平成23年9月に、湯田ダムビジョン推進協議会(代表者会議)を開催し、会員相互の安否や活動状況について確認しあいました。 そのほか流域全体の傾向では、自然観察会や体験ツアーなど、自然環境を活かした取り組みが多く行われています。

   

 

         

【過去6年間データ】
実施年度 135計画に対しての実施率(%) 参加事業数
平成23年度 78 172
平成22年度 81 189
平成21年度 77 169
平成20年度 75 151
平成19年度 66 122
平成18年度 63 111

  >>参考資料: 湯田ダムビジョン実施状況(PDF)


8.湯田ダムビジョンの活動のポイント

 (水源地域ビジョン事務局に聞きました)

 湯田ダムビジョンは、推進協議会が設立されてから6年が経過するなかで、地域の現状に合った取組みや新たな活動の必要性を相互に確認しあいながら活動しています。また、計画や事業の取捨選択をしながら全体での情報共有を強化するとともに、ビジョンにかかわる全ての方々に、楽しく主体的に活動ができるような推進をしています。






■バックナンバー


   
 天ヶ瀬ダム水源地域ビジョン 2012年6月号掲載
 湯田ダム水源地域ビジョン 2012年8月号掲載
 土師ダム水源地域ビジョン 2012年9月号掲載
 金山ダム水源地域ビジョン 2012年10月号掲載
 長島ダム水源地域ビジョン 2012年12月号掲載