ダム・水源地トピックス

「2015イベント賞七ヶ宿ダム」授与式

人と自然に寄り添う四国西南端のデザイナーズダム『中筋川ダム』

4月9日(土)「桜の高瀬湖クリーンウオーク」を開催しました。(中国/島地川(しまぢがわ)ダム)

「ダムマニアからみたダム・水源地」第5号(ライター:神馬シン)

試験湛水中のダム(国土交通省所管)平成28年4

 

「2015イベント七ヶ宿ダム」授与式

 

                                                                     水源地ネット編集局

 

 

 








東北初のダムアワード賞


3月19日(土)ダム愛好家が見守る中、ダムアワード「2015イベント賞」がプレゼンターの町田さん(now2000) から七ヶ宿ダム管理所の阿部管理所長に手渡されました。
阿部所長の受賞の挨拶では、東北では初めてのダムアワードの賞で、七ヶ宿の他に目屋ダムと湯田ダムが受賞され大変うれしい、昨年は、東北地方は大渇水で各ダムがかんがい用水等の補給をして活躍したことなどが紹介されました。来年は、低水管理賞をという声も。
この後、ダム管理所の市川志穂さんから七ヶ宿ダムの諸元や機能の紹介があり、七ヶ宿ダムは、特に仙台市や白石市、名取市等7市10町の約183万人の水道用水を補給しており、「みやぎの水がめ」として重要であることなどが紹介されました。


▲ プレゼンター町田さん(now 2000)から阿部富雄管理所長へ

▲ 2015イベント賞




福沢桃介記念館

▲ ゲート手動ハンドル

ダム見学会


授与式とダムの説明の後、参加したダム愛好家等14名は、 管理所長はじめ管理所の皆さんの説明を聞きながら、 監査廊からゲート操作室、さらにダム下流へと見学しました。


ゲート操作室では、停電時手動操作用ハンドルがあり、ハンドルの感触を実感。 もちろんゲートは動かない。


監査廊では、施設見学説明員の方が専門的な説明を後ろ向きで流暢に話しながら進み、 ダム下流面に出ました。


フィルダム下流面の整形しきれいに並べられた巨石(リップラップ)をダム直下から見て一同歓声。


当時の丁寧な職人技に感心していました。



さらに下流広場に出ると、フィルダム左岸の長大で美しい線形の洪水吐きが現れ、 下流を振り向くと柱状節理の発達した美しい岸壁が望めます。

この場所は、通常下流の道路から来られるが、 現在は右岸の岸壁崩落の危険性があるため立ち入り禁止となっています。


▲ 美しいフィルダム下流面

▲ 雄大な洪水吐


管理用発電

七ヶ宿ダムでは、不特定用水(流水の正常な機能維持の用水+かんがい用水)と上水道用水を使用して、ダム管理に必要な電力を発電しています。最大3,600KW、年間約23,000MWKの発生電力量(約3,800世帯分に相当)があり、ダム管理に使用した余剰電力は売電しています。 最近ダムの維持流量等を活用した小水力発電は盛んに行われていますが、七ヶ宿ダムはその走りでしょうか。


▲ 下流渓谷の名勝 「材木岩」


水源地ネット編集局
齋藤 源




人と自然に寄り添う四国西南端のデザイナーズダム『中筋川ダム』

 

中筋川ダム管理庁舎

【洗浄放水】

桜満開時、洗浄放水 ダム堤体ライトアップ
▲ 桜満開時、洗浄放水 ▲ ダム堤体ライトアップ

 地域に開かれたダムに指定されている「中筋川ダム」では毎月第4土曜日にダムの日を開催。
迫力満点の洗浄放水や噴水の打ち上げを行います。又、夜にはダムのライトアップも行っています。
洗浄放水は12時15分から12時25分の10分間。噴水は1時間毎に各自10分間

ライトアップは4月〜9月までが19:30〜20:30(5月は中止)、10月〜3月までが18:30〜19:30と点灯しています。
ダムの役割は仕組み、魅力にふれる機会を増やし、より多くの人達にダムへ来訪してもらいたくダムの日を設けています。


【蛍湖まつり】

▲ 蛍湖まつり 開催状況写真


 中筋川ダムでは毎年、「蛍湖まつり」が開催されています。
平成8年より行われ、去年第20回目の開催となりました。
当日はさわやかな秋晴れの下、約2400人の皆さまにご来場いただきました。
ダム内部見学では810人もの方に見学いただき1日の見学者数では過去最高となりました。


▲ 蛍湖まつり2015チラシ


【ホタル】

中筋川ダムの貯水池は「蛍湖(ほたるこ)」の愛称でしたしまれています。
これは、ダムが出来た頃(平成8年に)一般公募から選ばれた名前で”これからもホタルの飛び交う豊かな自然環境が保たれるように”という願いが込められています。
 ダムの上下流沿いでは、毎年5月下旬から6月上旬にかけて、たくさんのホタルが飛び交います。川原の草むらの陰や川にせり出した木の枝の間で、無数の美しい光を観ることが出来ます。
ホタルの小さな光の妨げにならないように、5月はダム堤体の夜間ライトアップを中止しています。


▲ ホタルが飛び交う写真


【広報誌ほたるっこ】

年に3〜4回くらいで「中筋川ダム」「横瀬川ダム」の業務についての情報をお届けする事務所広報誌”ほたるっこ”を非常勤職員女性5名で発行しています。この広報誌編集では、素人目線で分かりやすく伝えることを目標としております。
近隣の市町村にも配布させて頂き、情報の共有をしています。ホームページからも広報誌を含め色々と閲覧することが出来ますので、下記のアドレスに是非一度アクセスしてみてください。
国土交通省四国地方整備局中筋川総合開発工事事務所ホームページ
http://www.skr.mlit.go.jp/nakasuji/index.html


▲ 蛍湖まつり 開催状況写真


 

4月9日(土)「桜の高瀬湖クリーンウオーク」を開催しました。
                                  (中国/島地川(しまぢがわ)ダム)


山口県周南市 新南陽総合支所 地域政策課

主催:島地川ダム周辺環境整備地区管理協会

 

島地川ダム周辺には約700本の桜があり、毎年4月上旬には桜が満開になります。
毎年この時期に「桜の高瀬湖クリーンウオーク」が実施されゴミ拾いをしながら桜を楽しむボランティア活動を開催しています。
今年は4月9日(土)8:45〜桜の高瀬湖クリーンウオークを実施し76名の参加がありました。
ダムの中間点の黒川橋までの往路は島地川ダム建設前の木谷地区の様子や地元小学校の卒業記念植樹などの説明を聞きながらゴミ拾いを行いました。
復路は桜を見ながらウオーキングを楽しみました。
その後希望者(11人)はダム堤体内見学を行いました。日頃見れないダム堤体内を地下深く探検し、ダムの違った一面を見ることができました。
今回は地元のランニングクラブの参加があり復路をウオーキングではなくランニングする姿も見られました。
また、このダムは人里離れているためほとんどの参加者は自動車での参加ですが、朝早くから乗合バスを利用してバスの終点から5km以上歩いて参加する熱心な参加者もいました。
この時期ダム周辺は季節の山野草のワラビ、ゼンマイに加えタラの芽なども見られます。


▲ クリーンウオークの様子



 

「ダムマニアからみたダム・水源地」 第5号 (ライター:神馬シン)

 

〜 ダムから歴史・人物を学ぶ 〜

 

ダムペディア / 神馬シン

 

私は愛知県西尾張地方に住んでいるが、それだけに木曽川は身近な存在だった。

ダムマニアをはじめてから何度も木曽川の上流にあるダムには足繁く通った。


▲ 大井ダム


まずは大井ダム。日本初の発電用ダムとも言われる。それだけに竣工は大正13年(1924年)ととても歴史あるダムだ。


▲ 福沢諭吉と独立自尊


右岸ダムサイトには大きな福沢諭吉の石碑が設置されており、諭吉の座右の銘である「独立自尊」が書かれている。

福沢諭吉については「学問のすすめ」であるとか、1万円札の肖像になっている歴史上の人物であることぐらいしか知らなかったが、 そもそもなぜダムに福沢諭吉なのかも全くピンときていなかった。


そこでこの人物の登場である。


▲ 大井ダムの石碑に嵌められた肖像レリーフ


その名は福沢桃介。福沢諭吉の娘婿であり「日本の電力王」とも呼ばれる人物である。
もともと桃介の義父である諭吉は明治の初期に水力発電によって工業を発展させることを提唱していた人物なのだが、 それを木曽川の豊富な流量に着目した桃介が実現することになる。


当初、木曽川の水力発電の開発は後の大同特殊鋼へとつながる電気製鋼所建設のためであり、 着実に名古屋を発展へと導いていった。しかし、よそ者には排他的な名古屋財界と桃介は不仲だったと伝えられ、 それゆえ大阪進出のきっかけを与えてしまい、大井ダムは大阪のための発電用ダムとなってしまった。


これを知った時、とても残念に思ったが名古屋を発展に導いたのは事実としてあるため、 愛知県に住む私としては彼に対して尊敬の念を懐くようになった。


木曽川流域には大井ダム以外にも福沢桃介にゆかりのあるダムや施設が点在している。

岐阜の各務原市には木曽川のほとりに「貞照寺」というお寺がある。 このお寺は桃介の愛人でありビジネス上のパートナーでもあった日本初の女優川上貞奴が、 桃介と生活していた名古屋市内の二葉御殿を売却するなどして私財を投げ打って建立したお寺である。 日本初の女優とだけあって、芸事成就にご利益があると言われ、本堂内には参拝した多くの芸能人の木札が掲げられている。


▲ 成田山貞照寺


また、本堂の回廊には貞奴の生涯を物語形式で彫刻した8枚の木製のレリーフが飾られている。 その中でも大井ダム建設についてのレリーフが展示されている。放流する大井ダムの様子が彫られているので必見の価値がある。


▲ 大井ダム彫刻レリーフ


敷地内には貞奴が葬られている霊廟があり、その前には観音像が建てられているが、 実は大井ダムの方角に向かって建っている。いかに貞奴にとって大井ダムが桃介との想い出の地であったのかを深く知ることができるのだ。


▲ 川上貞奴霊廟


大井ダムの次に建設された木曽川のダムである落合ダムも桃介ゆかりのダムとなる。 こちらも旧大同電力(関西電力)によるもののため、残念ながら名古屋のために造られたダムではない。


落合ダム

▲ 落合ダム

落合ダム

▲ 落合ダム


長野県の南木曽町には福沢桃介記念館がある。 もともと桃介の別荘ではあるが、木曽地域での電源開発における前線基地として担ってきた。 瀟洒な西洋風の建物なので当時の木曽の人々は驚いたのではないだろうか。


福沢桃介記念館

▲ 福沢桃介記念館


記念館に向かう途中、その名も「桃介橋」という木造の大きな吊橋がある。 読書発電所建設資材を運搬する目的に建設された橋のため、 当時はトロッコのレールが敷かれていたそうだ。しかも面白いのは、 普通に橋を架けるならコストを考慮して川幅の狭い場所を選んで建設すると思うが、 わざわざ川幅の広いところに、しかも川岸に垂直ではなく斜めに橋を架けているのだ。



桃介橋

▲ 桃介橋


当時の電力会社は現代でいうベンチャー企業のような性質を持っていたのではないかと思うが、 このエピソードだけでも桃介の企業家たる横顔を垣間見た気がする。 成金主義に見えなくもないが、私としてはそうではなく体外的なアピールとして、 日本の技術力や資本力を海外に知らしめるために造られたのではないかと考える。


その他にも読書発電所へ送水するための柿其水路橋は、 ひと目では新幹線の高架橋に見えるぐらい立派な水路橋で、 とても大正時代に造られたとは思えないほど立派なものだ。


桃介橋

▲ 柿其水路橋


木曽川の上流は水力発電の宝庫であり、 名古屋市の日泰寺舎利殿にある桃介を称える石碑には「当時の電灯会社は主として火力に頼っていたが、 尾張信濃の渓谷を千万年間黙々として亜流茫々としていた河水を電力に変えた」と書かれている。


そのため、木曽川の上流のダムや発電所を巡っていると、 多くの桃介ゆかりの史跡があるので歴史的観点からダムを深掘りしていくのも 新たな発見につながってたいへん面白い。


ダムに興味を持ったらダムの周辺や裏側の歴史にも思いを馳せてみるのもどうだろうか。


 

                                              

 

 


 


■試験湛水中のダム(国土交通省所管)平成28年4月


 国土交通省 水管理・国土保全局

ダム名 管理者 ダム湖 河川名 型式 所在地 堤高 堤頂長 堤体積 集水
面積
湛水
面積
総貯水
容量
有効貯
水容量
m m 千m³ km² km² 千m³ 千m³
第二浜田 だいにはまだ ダム 島根県  

浜田川水系

浜田川

重力式

コンクリート

島根県浜田市

97.8

218 329 37.4 0.47 15,470 14,220
津軽 つがる ダム 青森県  

岩木川水系

岩木川

重力式

コンクリート

青森県中津軽郡

西目屋村

97.2

342 759

172

5.1 140,900 127,200
金出地 かなじ ダム 兵庫県   千種川水系鞍居川

重力式

コンクリート

兵庫県赤穂郡上郡町 62.3 184 152 11.5 0.2 4,700 4,400
庄原 しょうばら ダム 広島県  

江の川水系

大戸川

重力式

コンクリート

広島県庄原市川西町

42

119 43 4.2 0.1 701 638

※平成28年4.1日と同様(4月号掲載と同様)