日本ダムアワード2017低水管理賞 相模川水系総合運用 授与式

水源地ネット編集局
齋藤 源

▲相模川水系ダムと導水路

 2018年3月5日、日本ダムアワード2017低水管理賞となった「相模川水系総合運用」の記念盾の授与式が、神奈川県企業庁相模川水系ダム管理事務所と国土交通省関東地方整備局相模川水系広域ダム管理事務所において行われました。

 低水管理とは、農業用水、水道用水、工業用水、河川維持用水等が安定的に取水できるよう河川の水量を管理するもので、特に渇水時は下流河川の流況を見ながら関係者と調整してダム運用を行うものです。2017年12月17日都内で行われた「日本ダムアワード2017」において、低水管理部門は、「嘉瀬川ダム(佐賀県)」と「相模川水系総合運用(神奈川県)」の2件がノミネートされましたが、投票の結果「相模川水系総合運用」が低水管理賞に選ばれました。

○神奈川県企業庁相模川水系ダム管理事務所での授与式


▲琉さんから池田所長へ授与

▲井上ひさよしさん直筆の色紙


 午前の授与式は、城山ダムの見える左岸管理事務所脇で、6人のダムマニア(ほとんどダムアワード選考委員の方々)と企業庁職員等が見守る中、相模川水系総合運用のプレゼンターである琉さんから、神奈川県企業庁相模川水系ダム管理事務所(併)城山ダム管理事務所の池田所長に記念盾が授与されました。また、漫画家でダムマニアの井上ひさよしさんから直筆でダムマンガのキャラクターが描かれた色紙も送られました。

 池田所長から、「相模川水系は、集水面積は大きいが貯水容量が小さい神奈川県の相模ダム・城山ダムと集水面積は小さいが貯水容量の大きな宮ヶ瀬ダムが、導水路を使って効率よく水のやりとりを行っています。平成29年は宮ヶ瀬ダムが出来て以来、3ダムの貯水量が最も少なくなりましたが、国と県が連携して給水制限することなく運用できました。この受賞を職員一同喜んでいます。今後とも県民のため励んでいきたい。」との挨拶がありました。

▲城山ダム

 この後、なかなか見られない急勾配かつ歴史を感じる城山ダム監査廊に入りダム内部を皆で見学しました。城山ダムは圏央道が開通し、ダム天端は交通量の多い国道413号が走っており、工事や点検をするのにも交通に気を遣ったダム管理となっています。

▲城山ダム 津久井湖 ▲城山ダム 監査廊

○国土交通省関東地方整備局相模川水系広域ダム管理事務所での授与式


 雨のため午後の授与式は、宮ヶ瀬ダム本体が見られるダム下からダム操作室に変更し、記念盾は、同じく琉さんから相模川水系広域ダム管理事務所の横坂所長に授与されました。

▲琉さんから横坂所長へ授与

▲ここでも井上さんから直筆の色紙が贈られました。


 授与式の後、国土交通省関東地方整備局相模川水系広域ダム管理事務所の小川広域水管理課長の案内で渇水時の神奈川県との連係操作の仕方や、ダム操作室の説明を受けました。

 その後、一般には見られない宮ヶ瀬ダムの減勢池兼津久井導水路取水堰兼発電逆調整池の目的を持つ石小屋ダム(堤高34.5m)の下流面そして監査廊を見学しました。宮ヶ瀬ダム本体や観光放流を何度も見学しているダムマニアの方々もこれには感激していました。

▲石小屋ダム下流
▲石小屋ダム監査廊 ▲見学の様子

 最後に、横坂所長から、「低水管理は降雨と貯水位を眺めて操作する地道な仕事になります。このような、人目に触れない仕事を認めて頂き職員一同喜んでいます。今後とも神奈川県と協力して神奈川県民のためにがんばっていきたい。」との挨拶がありました。

▲相模川水系総合運用 授与式 参加者

平成30年度『宮ヶ瀬ダム観光放流』スケジュールを公開!
フーチング階段(ダム管理用階段)開放日もあり
URL: http://www.ktr.mlit.go.jp/sagami/sagami00118.html