八ッ場ダム始動 ~観光振興が本格スタート~

国土交通省 関東地方整備局
利根川ダム統合管理事務所
地域連携課 守谷 武史

■八ッ場ダムの概要

八ッ場ダムは、利根川の支川吾妻川中流部の群馬県吾妻郡長野原町に位置しており、吾妻川や利根川の洪水被害の軽減のための洪水調節、吾妻川の流水の正常な機能の維持と増進、首都圏の水道及び工業用水道の補給並びに群馬県による発電を目的とした堤高116 mの重力式コンクリートダムです。昭和22年のカスリーン台風による首都圏の大規模浸水被害を契機として、昭和27年に予備調査に着手し、昭和42年に事業に着手して以来、昭和・平成・令和の3つの時代を経て、今年3月に建設事業が完了しました。

八ッ場ダム位置図

令和元年10月15日、試験湛水中に発生した台風19号出水により満水に到達

■建設から管理に移行

八ッ場ダムについては、令和元年10月1日より試験湛水を開始し、ダム堤体及び貯水池周辺の安全性の確認作業を行いました。

ダム堤体及び貯水池周辺の安全性が確認でき、ダムの機能が発揮できる状況が整ったため、令和2年3月9日をもって試験湛水を終了し、3月10日から八ッ場ダムの貯留を開始しました。

令和2年4月1日に、八ッ場ダムの管理を開始することに伴い、利根川ダム統合管理事務所に八ッ場ダム管理支所を設置しました。

本来であれば、管理開始とともにダム堤体の一部及び資料館を開放予定でしたが、新型コロナウイルスに係る感染症の予防・まん延防止を最優先することから、一般開放は延期しました。

八ッ場ダム管理支所

運用開始して初めての満水(令和2年5月12日)

■八ッ場ダム オープン

新型コロナウイルス対応のため一般開放を延期していた八ッ場ダムのダム天端及び展望デッキについて、感染症対策を実施したうえで、令和2年7月7日12時より部分開放しました。

観光需要が落ち込む中で、令和2年11月末時点で約19万人の方に訪れていただきました。

ダム天端の開放状況

展望デッキ

令和2年11月からは、ダムカードの配布開始と併せて、管理支所に併設された「なるほど!やんば資料館」についても開放しました。

ダムカードについては、通常のダムカードに加え、群馬県企画の「ぐんまダムかるた」も併せ、感染症対策及び省力化のため「ダムカード発券機」により無人で配布を開始しました。

なるほど!やんば資料館 開放状況

ダムカード発券機

ぐんまダムかるた(取り札)

ぐんまダムかるた(読み札)

群馬県河川課 ぐんまダムかるた:https://www.pref.gunma.jp/06/h40g_00087.html

■ダム周辺の観光振興が本格化

八ッ場ダムの完成に合わせて、地域振興施設が続々とオープンしています。

7月からは水陸両用バス「八ッ場にゃがてん号」及び廃線路を活用した自転車型トロッコ「AGattan!(吾妻峡レールバイク アガッタン)」の運行が始まりました。

8月には、手ぶらでBBQやキャンプも楽しめる「川原湯温泉あそびの基地NOA」、10月にはダムサイトで軽食が楽しめる「やんば茶屋」、11月には旧長野原町役場をモチーフにした外観を再現し、水陸両用バスの発着点になる「八ッ場湖の駅(みずのえき)丸岩」が立て続けに開業するなど観光振興が本格化しました。

今後も、観光船の運航やダムに設置した多目的エレベーターの開放などが予定されています。魅力満点の八ッ場エリアにぜひお越しください!