ダム・水源地トピックス 今月の行事 水源地紹介 水源地域ビジョン活動 ワンポイント・ぜみなーる 編集局便り

ダム・水源地トピックス

◆「第29回森と湖のある風景画コンクール」審査結果発表〜表彰式7/29、国土交通省のロビー展示8/7〜8/18まで〜

◆「三波石峡文化財指定60周年記念」×「下久保ダム放流設備点検」

◆地域に開かれたダム 〜長島ダム〜 ≪国内最大級「高圧ラジアルゲート」見学が人気≫    

◆みんなで「ダムLOVE」 ダム工学会「with Dam Night2017」

◆「最盛期のコンクリート骨材製造」〜第2回 八ツ場ダムファン倶楽部特別見学会〜

◆ダム湖水質に関する国際交流 〜第85回国際大ダム会議年次例会への参加〜



「第29回森と湖のある風景画コンクール」審査結果発表
〜表彰式7/29、国土交通省のロビー展示8/7〜8/18まで〜



審査会

平成29年6月30日に、第29回「森と湖のある風景画コンクール」の審査会が当センターにおいて、審査員の厳正なる審査のもと開催されました。




【応募作品数】

幼年/小学生低学年・の部

403 作品

小学生高学年の部

404 作品

中学生・高校生の部

229 作品
合 計 1,036 作品

ご応募頂き感謝申し上げます。

【審査委員紹介】


日高頼子委員
二科会参与
田中いっこう委員
女子美術大学名誉教授

【審査について】

 一次審査では、全作品の中から入賞作品が選定されました。つづいて二次審査に移り金賞、銀賞、銅賞の該当作品が選ばれました。そして最終審査ではご後援をいただいている国土交通省、林野庁、文部科学省の代表の方々より、金賞の中から国土交通大臣賞、林野庁長官賞、文部科学大臣賞を選定して頂きました。

 尚、詳細な結果に付きましては『森と湖のある風景画コンクール(サイト)』をご覧下さい。
http://www.wec.or.jp/morimizu/contest/index.html



授賞式

平成29年7月29日(土)、都市センターホテル(東京都千代田区)において「第29回森と湖のある風景画コンクール」の金賞(国土交通大臣賞、林野庁長官賞、文部科学大臣賞)受賞者の表彰式を開催しました。  表彰式には 受賞者とそのご家族をはじめ審査員の先生方、国土交通省、林野庁、文部科学省ご担当者、共同主催者の(公社)国土緑化機構の専務理事、副賞をご提供頂いた全日本画材協議会の方らがご出席されました。  

 実行委員長(当センターの理事長)より祝辞が述べられた後、受賞者へ表彰状と記念品が授与され、会場から盛大な拍手が送られました。
 その後、審査員の先生より作品への講評を頂きました。





 

【金賞作品と講評】

【小学生低学年・幼年の部】
文部科学大臣賞
【小学生高学年の部】
林野庁長官賞
【中学生・高校生の部】
国土交通大臣賞

画題:ダムにホタルがいたよ!
ダム名:宮ヶ瀬ダム
氏名: 今井千晶(いまいちあき)
ダム所在:神奈川県

画題:豊かな水
ダム名:川口ダム
氏名:笠岡大志(かさおかたいし)
ダム所在:徳島県

画題:時代と水の流れ
ダム名:豊稔池ダム
氏名:森すずか(もりすずか)
ダム所在:香川県

【講評】
人里離れた水辺の夕方のイベントの様子が、よく伝わる絵になっている。表情豊かな人びとの動きから、蛍狩りの楽しさが共有できそうだ。



【講評】
緑の森と、青い山々と湖の世界は大変心地よい。S字形の構図により、水の流れがうまく表現されて、澄んだ空気まで運んでいる。中央をリズミカルに横切る鳥の姿が強いアクセントとなり、画面に生命力を与えている

【講評】
 直線の織り成す構図と灰色の石肌で表現されたこの作品は、大胆でありながら知的である。その表現の強さは根気ある点描画法に支えられている。歴史あるダム建造物に対峙した時の感動が、そのまま伝わってくる若い力強さを感じる絵である。

受賞作品の展示のお知らせ

受賞作品について、国土交通省(中央合同庁舎3号館)1階の展示コーナーにおいて以下の日程で展示を行います。
展示内容(受賞作品)は、金賞3点(国土交通大臣賞、文部科学大臣賞、林野庁長官賞)、銀賞6点、銅賞15点の計24作品です。  
尚、Web展示も行っております。http://www.wec.or.jp/morimizu/contest/29/contest.html


○展示コーナーのお知らせ

■日程:平成29年8月7日(日)〜18日(金)
■場所:国土交通省(中央合同庁舎3号館)1階の展示コーナー
   ※東京都千代田区霞が関2-1-3中央合同庁舎3号館
■アクセス方法>>国土交通省の所在地・連絡先
   〆田門駅 2番出口(東京メトロ有楽町線)
   霞が関駅 A2、A3a、A3b出口(東京メトロ丸ノ内線、日比谷線、千代田線)
■ご入館手続き:ご来館の際にはお手続きが必要です。

 →ご入館手続きについて
    ・必要な物:身分証明書
    ・受付場所:合同庁舎3号館南門(外務省側)のゲート
    ・受付時間:9:30〜18:00








国土交通省1階の展示コーナー
     

「三波石峡文化財指定60周年記念」×「下久保ダム放流設備点検」

独立行政法人水資源機構 下久保ダム管理所


下久保ダムのすぐ下流にある三波石峡は国の文化財に指定されて本年で60 周年の還暦を迎えます。この節目を記念し平成29 年6 月25 日に、地域住民、観光協会、行政、河川管理者、発電事業者、ダム管理者が、パネルや映像の展示、物産の販売など協働したイベントを開催しました。また、このイベントでは集客力のある下久保ダム放流設備点検を同時に開催しました。当日は1,300人ほどの人出で賑わいました。

下久保ダムと三波石峡が連携したイベントマップ

三波石峡は下久保ダムのすぐ下流1.5km に位置しており、ダム建設前の昭和32年7月3日に国の文化財(名勝及び天然記念物)に指定されました。その後、 ダム及び発電施設の建設・運用により三波石峡の景観が損なわれていましたが、 平成9 年の河川法改正を契機として、平成13 年7 月に下久保ダム水環境改善事 業により流水が回復、平成15 年からは土砂掃流試験が、平成20 年からはフラ ッシュ放流の取り組みが開始され、三波石峡は以前の輝きを取り戻してきてい ます。

美しい三波石峡(平成29 年6 月25 日)

下久保ダムでは定期的に施設の点検を行っていますが、洪水期を迎える前に実施する放流設備の点検に合わせ、ダム施設の見学会を開催しています。この取り組みで多くのファンにダムを訪れていただいています。この集客力に注目し、三波石峡文化財指定60周年記念行事とダム施設の見学会をコラボレーションすることとしました。

オリフィス2 号ゲート点検にともなう抜水

今回の点検では、クレストゲート、オリフィスゲート、利水放流バルブの点検を次のスケジュールで行いました。


10:00

クレスト1号・2号ゲート点検(全閉10:00→全開10:45)

11:00

オリフィス1号ゲート点検(放流管内の抜水)

12:00

利水放流1号バルブ点検(放流管内の抜水)

13:00

オリフィス2号ゲート点検(放流管内の抜水)

13:30

利水放流2号バルブ点検(放流管内の抜水)

14:20

クレスト1号・2号ゲート点検(全開14:20→全閉15:05)


また、見学会ではダム堤体内の監査廊の一部とエレベータを開放し、ダム天端 とダム直下流を行き来できるようにしました。このエレベータは高さ90mを驚きの90 秒で移動でき、監査廊内の涼しさと相まってとても人気があり、エレベ ータ入口となるダム天端は多くの人で賑わいました。

当日のダム天端の様子

さらに、今回は発電事業者の協力を得て、日頃の見学会ではご案内することのない、ダム右岸側も特別に開放しました。ここは、今年5 月に仮面ライダーエグゼイドが闘った場所としても有名です。

ここは仮面ライダーエグゼイドも闘った場所です

加えて、下久保ダムの特徴である隅角部(いわゆる「カド」)の近くにある防災広場も開放し、日頃見ることの出来ない角度から、ダムをご覧いただきました。

普段は見ることの出来ないアングルからダムを堪能

三波石峡に隣接するメイン会場では、三波石峡や文化財、河川や発電に関する展示がありました。また、下久保第二発電所の見学会も行われました。

急遽実施が決まった発電所の見学会は大人気

メイン会場では、地域の特産品や飲食の販売も行われ賑わっていました。

飲食やお土産の販売で賑わう臨時売店

会場内で特産品や飲食の買い物をされた方には、お買い上げ金額ごとに抽選券をお配りしました。抽選の景品には、地元藤岡市や神川町のグッズのほか、下久保ダムで実際に使われていたハウエルバンガーバルブのボルト(証明書付き)といったマニアックなものもありましたが、これを狙って何度もチャレンジする人も見かけました。

ハズレくじ無しのガラガラ抽選会

また、近年のダム人気を牽引しているダムグッズも会場内で販売。ダムマンガの井上よしひさ先生をはじめ、マニアパレルさん、ペンギン娯楽企画さんによる華やかなグッズがイベントに花を添えていました。

ダムグッズも売り上げが好調のようです

ダム周辺ではダムフードも提供され、当日は3店舗で下久保ダムカレーなどが 提供されました。

下久保ダムの特徴「L字形」をかたどったダムカレー

地域住民と地元行政及び下久保ダムでは、ダムを活かした自立的・持続的な地 域活性化を目指しています。今年は地域のアイデンティティである三波石峡が 文化財指定60 周年の還暦を迎え、新たな観光地としての魅力も高まっています。 来年は下久保ダムが50 周年の節目を迎え、さらなる飛躍が期待されています。 ぜひ、下久保ダムとその周辺にお出かけ下さい。




地域に開かれたダム 〜長島ダム〜

≪国内最大級「高圧ラジアルゲート」見学が人気≫

国土交通省 中部地方整備局 長島ダム管理所


長島ダム

 長島ダムは、静岡県中部を流れる一級河川大井川の中流に建設された重力式コンクリートダムで、洪水調節、かんがい用水・工業用水・水道用水の供給、河川環境を守るための流量の確保を目的とした大井川で唯一の多目的ダムです。


平成7年に国土交通省中部地方整備局初の「地域に開かれたダム」に指定され、ダム内部見学・地域と連携したまつりや植栽イベントの開催、カヌー・カヤックなど一般の湖面利用など、地域により親しまれるダムとなるため様々な工夫をしています。


ダム内部見学は、ダムの目的や役割を一般の人に知ってもらうことを目的とし、平日及び毎月第2日曜日(平成28年12月より開始)に開催しています。見学のメイン、コンジットゲートは高圧ラジアルゲートとしては日本最大級。その大きさや役割など、実物を見て実感していただける見学になっています。「貴重な体験ができた」「勉強になった」「楽しかった」等の声をいただいています。

内部見学の様子

平成16年に策定された「長島ダム水源地域ビジョン」では、ダム水源地域および下流地域の自治体・住民などの協力を得ながら、夏には「森と湖に親しむ旬間」秋には「奥大井接岨湖もみじまつり」を開催しています。ダム内部見学の他、巡視船でのダム湖(接岨湖)の巡視体験、夜のダムを巡るナイトツアー、町の昔話を楽しむ「語り部の会」、地域の物産市など、イベント限定の企画をお楽しみいただけます。


湖面巡視体験


ナイトツアー

長島ダム周辺は自然豊かで紅葉・新緑などを楽しめる充実したウォーキング・ハイキングコースがあります。湖面を利用したカヌー体験教室など、自然を利用した様々なイベントがあります。日本唯一のアプト式鉄道が走る南アルプスあぷとラインは、長島ダムや貯砂ダム、奥泉ダム、井川ダムなど車窓から眺められるダムも多数あり、寸又峡・接岨峡などの温泉地に寄りながら、のんびりした旅を楽しんでいただけるスポットです。


奥大井レインボーブリッジ


カヌー体験

本年5月より町内店舗にて長島ダムカレーの販売も開始され、観光地としての魅力もいっぱいの長島ダムです。イベント情報など公式HP・Twitterで随時お知らせしています。是非一度足をお運びください。皆様のお越しをお待ちしております。






長島ダムカレーコンセプト


長島ダムカレーマップ


お子様向けの「長島ダム」パンフレット


↑クリックするとPDFがひらきます。














みんなで「ダムLOVE」
ダム工学会「with Dam Night2017」

水源地ネット 編集局 齋藤源




○ 抱夢(ダム)

  ダム工学会(魚本健人会長)の「with Dam Night2017 」が6月16日、東京都月島社会教育会館で開かれ、ダムマニアや技術者、専門家らがそれぞれダムの魅力について語った。 緊急企画として、北海道のテレビで人気の「DAM☆LOVE」を叫ぶ「ブギウギ専務」も駆けつけた。

まず、主催者のダム工学会の魚本会長の開会の挨拶では、イベントスタッフの着用している“抱夢(ダム)”のロゴ入りビブスは田代副会長の発案であることを披露した。








○ 「私の愛するダム」 佳 さん (ダムマイスター)

  ダムマイスターの佳さんは、岐阜県美濃市在住とはいえ丸山ダムを1年間で55回訪れた記録を紹介したうえ、丸山ダムダム下流や展望台から撮影した4年間のいろいろな写真の他、これまで訪れた300ダム超の美しいダム放流写真等が披露された。


ダム見学会のすすめは、下から見上げる、珍しい角度から見る、内部に潜入する、間近に見る(コンクリートの表面でもゲートでも)、とにかく許される範囲で全力で楽しむことと言う。




○プロカメラマンが教えるダムの撮り方 庄嶋 輿志秀さん(写真家)

ダムを取り始めて13年、良い写真を撮るのは良い天気を辛抱強く待つ、放流の白と山の緑、青い空、良い条件になるまで何回でも行くと言うこと。 最近ドローンによって増したダム撮影の魅力についても語ったあと、プロの撮った写真が披露された。
矢木沢ダム放流、黒部ダム放流、雪の奈良俣ダム、川治ダム放流・・・ 川治ダムの放流は何処から見ればいいか、藤原ダムの空をうまく入れるにはその時を待つ、動画は音をどのように入れるか、カメラは何が良いかなどなど、話は高度になっていった。




○ ダムカード、30分で基本から最新まで 三橋さゆりさん(国土交通省)

 国土交通省の三橋さゆり河川環境評価分析官は、ダムカードの誕生秘話を解りやすく披露された。2005年8月ダムマニアによるダム祭のトークライブ(新宿)において、ダムに行かないともらえないカードがあればいいという声があったのが、カードを作るきっかけとなった。その後ダム管理関係者やダム愛好家の意見を参考に2007年7月初版発行となった。この時のダム数は国土交通省、水資源機構管理の111ダム、2017年4月現在では、道府県や電力ダムなどにも広がり567ダムとなっている。 ダムカード作成について以下のような検討をされ完成された。


*コンテンツの工夫
 ・マニアックであること
 ・子供向けにしない
 ・ダムファンの意見を反映
 ・地域振興の視点
 ・こだわりの技術
 ・積極的には広報しない

*配布ルール
・ダムの現地で配布
・原則手渡し・一人一枚
・更新は極力行わない
・むやみにプレミア性を演出しない
・ダムに来た人は誰でももらえる



今や、ダム愛好家宮島咲氏による「ダムカード大全集」(2012.4)「ダムカード大全集ver.2.0 」(2016.4 )まで発売されている。


○ 八ッ場ダムの今とインフラ観光「やんばツアーズ」
由井修二さん(国土交通省八ッ場ダム工事事務所)

昭和22年埼玉・東京など30万世帯が浸水したカスリーン台風をきっかけに同27年にダム建設が表明され、同44年初めて地元説明会が開かれたが、地元に受け入れられず長年交渉を重ね、基本協定を締結し、平成6年付け替え道路が着工されたなど、まず八ッ場ダム建設の経緯が説明された。

平成21年に国土交通大臣から八ッ場ダム中止の表明、同23年に事業継続が決まり、同26年8月ダム本体建設工事の契約をし、同27年1月ダム本体掘削工事に着工した。 地域振興としてダム工事中の観客を積極的に誘導するため、平成29年3月日本一のインフラ観光ツアー八ッ場ダム観光プロジェクト「やんばツアーズ」を発表し、10本の目的別見学プランを用意している。 また、自由に見る場所として、次のような場所を整備している。  ・やんば見晴台 ・八ッ場大橋おどり場 ・なるほどやんば資料館 ・川原湯展望広場




○ 「DAM☆LOVE」で無限大!ダム巡りの楽しみ方
炭素(ダムマイスター・ダム巡り愛好家)


ダム巡りを始めて9年目、これまで800基を超えるダムを見てきた。

中でも、豊稔池のダム放流、水しぶき,独特の臭いは(「ダム汁」という)は忘れられない。 非常用洪水吐からの放流は、数十年から数百年に一度の放流なので、なかなか見られない。

試験湛水時の非常用洪水口工からの試験放流時期設定は、管理所にとっては降雨との関係から貯水位の維持が難しいし、試験放流時期の発表も難しいようだ。津軽ダムの場合、平成28年2月13日試験湛水開始、2月下旬満水予定で、4月ダムツーリズムがあるというので、皆期待を持った。4月17日大きな降雨があり、18日には最高水位に達したと言うので、早速津軽ダムに駆けつけた。

鹿野川ダム洪水吐きトンネルの貫通見学会では、実施日未定で発表され、実施日が発表されたのは3日前と言うもの。


上椎葉ダムの点検放流は明日放流するという発表・・・ツイッターで行ける?行く?行こうか?・・その日のうちに羽田に飛んだ。これでも東京、京都、大阪から愛好家は駆けつけている。




○ ダム天端の片隅で「DAM☆LOVE」を叫ぶ
スペシャルゲスト  ブギウギ専務 さん


プログラムで当日お楽しみに!として伏せてあった、スペシャルゲストを、ドーコン水工部の尾山玲氏が北海道のテレビでダム熱を盛り上げている「ブギウギ専務」を紹介。

2013年の放送で“ダムLOVE”が生まれたエピソードやその生みの親(拓和札幌支店の田口亮氏)探しに豊平峡ダムから漁川ダムに至る番組映像などを紹介した。最後に、関係者らが登壇し、北海道発で全国のダムファンに広まっている“ダムLOVE”を会場一体となって唱和・ポーズし盛り上がった。「ダムヤード巡りの旅」や「イズダムナイト」の出版も紹介された。







「最盛期のコンクリート骨材製造」
〜第2回 八ツ場ダムファン倶楽部特別見学会〜


骨材製造設備全景

真夏の7月14日、第2回八ツ場ダムファン倶楽部特別見学会(以下「特別見学会」という)に第1回に引き続き参加しました。(第1回の見学会報告は7月号に掲載済み) 今回は、なかなか見られないダム本体コンクリートに使用する骨材の製造設備を見学させていただいた。見学参加者は15人、やはりダム愛好家が多いようだ。


○ 骨材製造設備

骨材製造設備のある場所へは、道の駅八ツ場ダムふるさと館から出発し、不動大橋を渡り、県道林岩下線から、工事用道路大柏木トンネルに入る。大柏木トンネルは、全長3kmの骨材輸送のベルトコンベアー設備と骨材製造設備や骨材の基になる原石山への燃料や資機材運送する二車線の道路となっている。



製造された骨材運送用ベルトコンベアーのダムサイトまでの距離は10劼傍擇屐▲肇鵐優覦奮阿量邀阿蓮雨天でも運べるように覆いがある。

工事用トンネルとベルトコンベアー

いよいよ原石の破砕機、篩分け、そこを屋根付のベルトコンベアー等が交差する骨材製造設備が、東吾妻町に位置する山間部に現れた。
骨材となる原石は、ここから約1卆茲猟耕邯仰に位置する原石山から、発破で崩された大きな原石を40トンダンプで一時破砕機の投入口に運び込まれる。 ダンプから落下する巨大な原石の音に皆感動。

40tダンプ による原石投入

今日は、現在コンクリート打設の最盛期、骨材製造も最盛期でダンプの往来が多く原石山への見学はできない。
ダンプから投入された原石は、一次破砕設備で最大150mmに破砕されたあとベルトコンベアーで二次破砕機に送られる。

150mm以下に破砕された原石を引き出し二次破砕へ

八ツ場ダム本体工事で使用されるRCDコンクリートに使用する骨材のサイズは、80〜40mm、40〜20mm、20〜5mmと5mm下の砂に分けて造られる。

4種類の骨材製品見本

各サイズに破砕され篩分けられた骨材は、最後に粉末を洗い流すために洗浄され、各サイズごとに、ベルトコンベアーに乗せられてダムサイトのサイズごとの骨材貯蔵ビンに送られる。 骨材を洗う水や工事用道路の粉塵防止用散水車の水等は、澤水と工事用の再生水を使用している。さらに、洗浄等による濁水は、濁水処理設備により浄化して再利用している。

工事用水プール

最盛期に近い現在の骨材製造量は、1日約最大3000m3のコンクリート使用量に対応して、1日最大約7000tであり10トンダンプにすると1日最大700台となる。

4基の砂製造設備(ロットミル)

骨材製造設備を堪能した後、ダムサイト右岸展望台から、現在の本体ダム工事状況を 見学した。製造された骨材は、ベルコンに乗ってトンネル、橋梁を経てダムサイト左岸貯蔵ビンまで駆け上る。

骨材運送用ベルコンと左岸天端付近の骨材貯蔵ビン

ダム本体工事は、高さ30m付近まで達しているようで、本ダムの要である洪水吐きゲート飲み口部が仮置きされ、本体工事もいよいよ最盛期のようだ。


堤高30%に近づく 表れた洪水吐ゲート

八ッ場ダム工事事務所は、建設工事中の広報も積極的に行っている。 工事状況等は、毎月「八ッ場ダムニュース」に写真付きで解説広報されている。 今日もこの特別見学会の他、一般の見学会が行われており、さらに、7月16日には長野原町・跡見学園女子大学主催、八ッ場ダム工事事務所等後援の「長野原町に新しい芽を出そうプロジェクト」が開催される。また、今人気のNHKテレビ探検バクモンもダム工事現場に潜入、7月19日放送となった。



次回は9月頃を目標に特別見学会を開きたいと、案内して頂いた藤枝課長のおはなしがあった。

出来たてのダムカードver2






ダム湖水質に関する国際交流
〜第85回国際大ダム会議年次例会への参加〜


(一財)水源地環境センター 研究第一部 山本 慎太郎


1.国際大ダム会議(ICOLD)とは

 国際大ダム会議(ICOLD、International Commissionon Large Dams)は1928年に設立された伝統と歴史を有する国際会議で、ダム関係土木構造物(付帯する水力発電所を含む)の設計、施工、保守および運用に関する技術について各種委員会を設置し、調査研究を行っています。  
 最近ではダム建設に伴う環境問題にも積極的に取り組んでいます。ICOLDの加盟国は2017年現在100ヶ国で、本部は設立以来フランスの首都パリに置かれており、毎年加盟国のいずれかの都市で年次例会(Annual Meeting)を開催し、3年に一度は年次例会の後に同じ場所で大会(Congress)を開催しています。



2.ICOLD年次例会について

 年次例会は、ダム技術その他のダム関連情報の交換を促進し、会員国相互のダム技術の進歩発展と友好促進を図ることを目的に、22の技術委員会活動やシンポジウム、ワークショップが開催され、世界の共通的な重要問題を各国の会員から論文募集をして討議するものです。今回は平成29年7月2日〜7日にチェコ共和国プラハで開催され、約100ヶ国から約1,120名が参加しました。
 今回の開催国のチェコ共和国は面積が約7.9万m2と日本の約5分の1、人口は約1,057万人でチェコ人を中心としたチェコ語が公用語の国家です。会場となったクラリオンコングレスホテルプラハ(CCHP)は首都プラハ中心部から約6kmのところにあり、地下鉄駅やショッピングセンターに隣接し交通至便な立地にあります。



3.展示会について

 7月3日〜5日まで会場に展示ブースが設けられ様々な団体が保有技術のPRをしていました。日本大ダム会議(JCOLD)のブースでは日本のダムやダム施工技術を中心に展示していました。会場中央の目立つ場所を確保していたことから、良いPRができたのではないかと思います。また、水源地環境センター(WEC)のパンフレットも配布し、取り組み内容についてPRしました。


写真3-1.JCOLD展示ブース

4.技術委員会(環境委員会)について

 WEC の北村理事が日本委員を務める技術委員会の一つである環境委員会は、7月4日にメンバー15名中7名の他、オブザーバー10名が出席して行われました。
 環境委員会では、今後3ヶ年を目途に「ダムと環境の融合」に関するケーススタディを取りまとめていくこととなりました。また、日本が主体となって実施している水質モデル評価について、日本のレポート案を提出しました。


写真4-1.環境委員会の様子

5.国際シンポジウムについて

 7月5日に開催された国際シンポジウムは、下記9テーマについて3会場で論文発表とポスターセッションが行われました。


表5-1.シンポジウムテーマ

No テーマ
1

ダム技術における進歩した材料、技術、解決策の調査研究と適用

2

ダムの安全とサイトの保安のための監視システムの強化

3

ダムの設計、施工、操作について、不確実性とリスク分析に基づく意思決定

4

ダム技術における技術、社会経済、環境のバランスのとり方

5

洪水防御貯水池、堤防、鉱滓ダムの解析と設計上の進歩

6

貯水池ならびに流域の管理についての最近の進歩と最新の応用

7

全地球的な気候変動、地域的な渇水およびその他の異常な出来事に対する設計と操作の応用

8

老朽化したダムについて、残存供用期間と廃棄を考慮した評価

9

ダムの機械電気設備


(1)論文発表

日本から提出・採用された論文25編のうち7編が口頭発表されました。



表5-1.シンポジウムテーマ

テーマNo
(表5-1に対応)
論文名(英題)
1

Efficient repairing and reinforcement method for AFRD damaged by the earthquake

1

Trial mix and full-scale trial embankment for RCC dam at Nam Ngiep 1 hydropower project

1

Seismic analysis based on results of the laboratory shaking table tests for the dam-model

1

Dam foundation design for the main dam at Nam Ngiep1 hydropower project in Laos

2

Inspection of construction joints in the concrete dam body by the impact elastic wave method

2

Deformation monitoring of rockfill dams in normal times and after earthquakes using satellite SAR data

6

Field experiment of bedload transport rate measurement at sediment bypass tunnel



写真5-1.シンポジウムの様子

(2)ポスターセッション

WEC関係では工藤研究第二部長、山本と西日本技術開発(井芹氏、森氏)との共著で提出した論文「ダム貯水池生態特性に着目したWater Bloomの生態工学的制御法」のポスターを掲出し、説明を行いました。世界各国でも同様に富栄養化によるアオコや淡水赤潮発生の問題を抱えており、興味を持たれた海外の方からの質問もありました。



図5-1.掲出したポスター(全体)
図をクリックするとPDF版で見られます
写真5-2.ポスターセッションの様子

6.テクニカルツアー

 7月6日にテクニカルツアーが開催され、私は4コースのうちTT3に参加し、Pařížov(パリジョフダム)ダム、Vrchlice(バハリチェダム)ダムを視察しました。パリジョフダムは建設後100年以上経つ古いダムでプラハの街並みを彷彿させる石積・石畳の外観であり、また、バハリチェダムはチェコで唯一のアーチダムであり、どちらも周辺の自然と調和した景観の素晴らしいダムでした。


以下、視察したダムの諸元を紹介します。

●Pařížov-dam(パリジョフダム)
・1913年に完成の重力式石積みダム。
・流域面積202km3
・高さ23.3m、長さ142m、貯水池容量1,683千m3
・目的:洪水調節・ダム下流流況の安定化、発電


ダム堤体全景

Vrchlice-dam(バハリチェダム)
・1970年に完成のアーチダム。(チェコでは唯一のアーチ式ダム)
・流域面積98km2
・高さ34m、長さ168m、貯水池容量9,786千m3
・目的:水道用水、洪水調節、発電


ダム堤体全景

監査廊(下流への階段)

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