2018.01掲載
大滝ダムは、紀の川上流の奈良県中央部に位置する重力式コンクリートの多目的ダムです。平成25年4月の本格的な運用の開始以降、台風などによる洪水に対しては、洪水調節を行い、ダム下流河川の水位低減を図るなど治水効果を発揮しています。
また、奈良県、和歌山県、和歌山市、橋本市に水道用水や工業用水を供給するとともに、ダム直下の関西電力発電所で発電を行っています。(国土交通省 紀の川ダム統合管理事務所 より)
奈良県川上村
吉野川(紀の川)の源流に位置する川上村は、およそ500年の歴史を誇る林業の村です。室町時代からはじまった吉野林業の中心地で、緑を育みながら水の恵みを下流に届けてきました。
平成25年に完成した大滝ダムにより、さらに川上村は水源地としての役割を担うことになりました。
これらの水源地としての役割を果たしながら、また森と共に生きてきた暮らしの価値を見つめなおし、村民の暮らしもしっかりと築いていこうという取り組みを、「水源地の村づくり~樹と水と人の共生~」というキャッチフレーズとして掲げ、平成6年に策定した第三次総合計画をきっかけにその取り組みが始まりました。
また、村づくりの取り組みを分かりやすく5つの条文にまとめた「川上宣言」を平成8年に全国に発信し、その具現化に取り組んでいます。
川上村の奥地にある、吉野川(紀の川)源流の
平成23年、大和平野土地改良区より川上村に「おかげ米」が贈呈されました。これは川上村の取り組みへの感謝の気持ちとして、その流域である大和平野の農家の方々から収穫されたお米が届けられたものです。
この「おかげ米」贈呈をきっかけに、大和平野と水源地域との間にさらなる友好関係を育もうと平成24年度から「水のつながりプロジェクト」がスタートし、大和平野と源流の村の子どもたちの源流体験や田植え体験をとおした交流事業が始まりました。
吉野川(紀の川)は、奈良県川上村の源流に生まれ、和歌山県の紀伊水道へと流れ出ます。
その流れは、上流部では林業、中流部では農業、河口域では漁業といった質の高い第一産業をつなぎ、水の恵みを届けています。
2県をわたる1本の川による森・里・海のつながりを“見える化”し、流域ぐるみの地産地消を進めるため136km の川を一つの商店街に見立て、楽しく流域をめぐるきっかけとしながら水の循環意識を醸成するブランド化を立ち上げました。またこの流域の第一産業と人を教材とした環境学習も進めていこうとしています。
これらのほかにも、多数の取り組みが進行中です。
詳しくは川上村ホームページをご覧ください。(奈良県川上村公式サイト:http://www.vill.kawakami.nara.jp/)