水循環日本への扉を開く―上下水道の危機は、水循環の危機

一般社団法人 水の安全保障戦略機構
事務局 桑原清子

現在、我が国では「蛇口を開ければ水が出る」という「当たり前」が危機に瀕しています。今日の私たち一人一人の命は、これを「当たり前」にしてくれた先人の凄まじい働きの上に、あります。その働きは、水道インフラのみではありません。蛇口の大元(おおもと)から排水口の果てまでの全てに及ぶものです。

水の安全保障戦略機構では、この危機を機会に変えていくため、2024年3月に新たな提言を発表しました。発表後は、今を生きる私たち一人一人が「流域および広域水利用権の持続可能なあり方」の再構築にどのように取り組んでいけば良いのか、多様な立場や分野の皆様と共に語り合いながら、具体的な道筋を検討していくための準備を進めています(提言発表の経緯などは、水源地ネット2026年2月号トピックをご覧ください)。

その一環として昨年、「人口減少時代を生きるシンポジウム―水循環日本への扉を開く」を開催しました(2025年5月、8月)。

シンポジウム第1弾は、「ひとごとじゃない!“上下水道クライシス”~あなたのまちで何が起きているのか」と題して開催しました。水道の危機のど真ん中で、北海道石狩市と岩手県矢巾町は、住民や議会との対話と、経営の立て直しに、徹底して取り組みました。これを読者皆様は、「なんだ、普通のことじゃないか」と思われますか?

第2弾「No Water, No 地方創生~何をどう変えていくのか」では、上下水道コンサルのお二人が、それぞれ新たな領域へどう踏み出そうとしているかをご紹介頂きました。上下水道の問題は様々な地域課題と隣り合わせです。上下水道に関わらず水の分野に居る方々なら、様々な地域課題の中心に水があると捉えられるはずです。

上下水道の危機は、水循環の危機です。現在、我が国が直面しているのは、水循環の危機です。その解決策は、これまでの延長線上には存在しません。新たなデザインが必要です。様々な取組みを包括的に推進していく必要もあります。このことは、水源地域にも当てはまります。健全な水循環を、お題目ではなく、「我が国の経済社会の健全な発展及び国民生活の安定向上に寄与する」(水循環基本法第1条)ものとして血を通わせていくことが重要です。

この度、当シンポジウム第2弾のアーカイブ配信(申込制、無料)を開始しました。引き続き第1弾もご視聴お申込を受付中です。この機会に是非ご視聴ください。

第1弾配信中
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第2弾、配信開始しました
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