安威川ダム試験湛水前現場見学会が開催されました

2022.9掲載
一般財団法人 水源地環境センター
研究第一部 最上 友香子

 大阪府茨木市で建設が進められている『安威川ダム』において、令和4年7月23日に試験湛水前現場見学会が開催されました。

 令和4年1月にダム堤体の盛立が完了し、見学当日は試験湛水に向けて、基礎岩盤の止水性を確保するための基礎処理工が進められていました。

 当センターでは、安威川ダム建設事業に関するモニタリング等の環境保全方針の検討に携わっており、本見学会に出席させていただきましたので、参加レポートをご報告します。

イベント当日の安威川ダム湛水予定地の様子

アクセスの良い都市型ダム

 安威川ダムは全国でも稀な都市型ダムで、市中心部より車で30分程でアクセス可能です。
 老若男女幅広い層の参加者が阪急茨木市駅に集合し、送迎バスで安威川ダム建設事務所へ移動しました。

最寄りの阪急茨木市駅に集合してダムへ移動しました

 現場工事事務所へ到着後、安威川ダム建設事務所の所長より、事業概要や現在の工事進捗についてご説明いただきました。
 本見学会は定員300名に対して約9倍の応募があったとの説明もあり、参加者の見学への期待が高まりました。

募集ポスター

道中バス車内からダム下流面が見えました

安威川ダム建設事務所 所長に説明いただきました

 その後、厳しい暑さの中での移動となりましたが、それぞれのペースで写真撮影や休憩の時間をとりながら、20階建てのビルの高さを超えるダム高76.5mを体感しながら、ダム湖底に向けて徒歩で移動しました。

ダム湖底までは徒歩で坂道を移動しました

いろいろな高さ・角度から写真を撮影しながらダム湖底に向かいました

いよいよダム湖底へ!

 現場工事事務所から30分程歩くと、湖底に到着しました。

 湛水後には見ることができない風景に、坂道を歩いた疲れを忘れて堤体周辺を歩いて見学しました。

 ダム建設前の住民の方々の生活の営みが思い起こされるバス停跡や道路標識などから当時の暮らしに思いを馳せるとともに、湛水後には近づくことができないロックフィルダム堤体上流面や、取水設備や曝気設備といった水質保全対策施設を間近で見ることで、その大きさを体感しました。

湖底の写真①~⑤はクリックすると拡大表示できます

参加者の目の前に広がる湛水予定地
(写真中央左が仮排水トンネル入口・右側が取水設備)

①バス停の跡

②府道標識の跡

③人と比べると、より堤体の大きさが際立ちます

④浅層曝気設備

⑤深層曝気設備

 湖底見学の後は、ダム天端を見学しました。
 当日は晴天に恵まれ、下流市街地まで見渡すことができ、参加者からは夜景も見てみたいとの声も上がっていました。

見学者でダム天端が賑わいました

非常用洪水吐下流の先には
茨木市の市街地が広がります

安威川ダムの概要

 安威川ダムは、淀川水系安威川の大阪府茨木市大字生保、大門寺地先に治水ダムとして建設されるものです。

 ロックフィルダムとして高さ76.5m、総貯水容量1,800万m3のうち1,400万m3で洪水調節を行うとともに、既得取水の安定化及び河川環境の保全のための流量を確保する計画となっています。

 また、ダム上流では茨木市による吊り橋や拠点施設の整備、下流では広場整備が進められており、北摂のシンボル空間の創出を目指しています。

インスタの投稿例
(大阪府安威川ダム建設事務所公式インスタグラムより)

安威川ダム完成イメージ図(大阪府HPより)

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展望スポット

 ダムの建設現場並びに貯水池が一望できる展望スポットが、令和4年7月1日に開設されました。

○開放時間:毎日10時から16時の間
○阪急茨木市駅より、阪急バス89番「車作」行き乗車
 「大門北」停留所下車徒歩10分
○車でお越しの方は、下図の場所に平日10時から16時まで駐車可能です
 (土日祝は閉鎖)

※令和4年9月9日時点の情報です。

地図出典:opendatacommons.org

展望スポット位置(大阪府HPより)
(画像クリックで「大阪府HP:展望スポットからの見学について」が開きます)