土木学会デザイン賞2024 優秀賞 受賞(八ッ場ダム)

一般財団法人 水源地環境センター

令和7年1月25日(土)、都内の公益社団法人土木学会講堂において、土木学会デザイン賞2024の授賞式が開催され、東京大学名誉教授 篠原 修 先生を始めとする八ッ場ダム環境デザイン検討委員会他、設計施工に関係した先生方や組織と共に、優秀賞を受賞いたしました。

このことは大変名誉なことであり、八ッ場ダムプロジェクトの完成に、業務を通じて当センターが多少なりとも貢献することができたのだと実感しているところです。

これも、事業者や環境デザイン委員会を始めとするプロジェクト関係者のみならず、日頃から当センターにご理解ご支援を賜っている皆様方の御蔭と深く感謝する次第です。

八ッ場ダムは利根川の氾濫による洪水被害を防ぐとともに、首都圏の生活用水や工業用水を確保するため、令和2年3月に本体が完成した重力式多目的ダムであり、試験湛水試験中の令和元年の台風19号襲来に伴う大規模出水において、洪水調整機能を遺憾無く発揮したことは記憶に新しいところです。

ダム建設地には名勝吾妻峡(昭和10年に国指定)が存在し、当初、ダム建設地は吾妻峡の核心部に位置し、大きな影響を与える恐れがあったため、文化庁と協議の結果、ダム建設地を移動し、名勝指定区間の3/4の区間を保存するとともに、改変される地形・景観や周遊路に対する配慮と景観設計、名勝渓流の流水の正常な維持、ダム完成後も含めた保存管理体制構築といった配慮事項を検討・実施することになりました。

文化庁の協議を受け、八ッ場ダム環境デザイン検討委員会を設けて、丁寧なデザイン監理を行い、デザイン方針を定め、ダム堤体形状や建屋など属施設の景観影響を極力低減するデザインとしました。加えて、ダム管理上の機能と地域資源価値向上を両立するため、名勝の本質的価値を損なわない周遊動線のデザイン、一般開放を考慮した減勢工橋梁や管理棟、多目的エレベーター棟、堤体下部苑地とエレベーター棟を繋ぐエントランス等、苑地全体をダム堤体とも共通するデザインコンセプトによりデザインし、ダム空間のトータルデザインを実現した結果、年間20万人以上が訪れる地域資源となり地域活性化に貢献しています。

関連サイト:公益社団法人土木学会
土木学会デザイン賞ページ(https://design-prize.sakura.ne.jp/