国土交通省 東北地方整備局
岩木川ダム統合管理事務所

令和7年の津軽ダム流域の6月~7月降水量は、H29(2017)年管理開始以降の平均に対して約50%と少なく、特に7月は同管理開始以降の最小値となる36mm/月(平均に対して約19%)を記録しました。

その少雨の影響により、貯水位は7月上旬~8月上旬にかけて平年を下回り急激に低下し、8月17日には今期最低の貯水率となる18.3%まで低下しました。これは、管理開始以降8ヶ年の8月17日9時時点における平均である50.5%を32.2%pt下回る値でした。

貯水位の低下とともに姿を現した目屋ダム

この状況に対応するため、岩木川ダム統合管理事務所では令和7年7月29日に岩木川水系渇水対策支部注意体制を設置、8月4日に同警戒体制に移行し、当事務所で統合管理している浅瀬石川ダムを含めた利水者等関係機関と情報共有・連携して水道用水・かんがい用水を継続補給しました。

津軽ダムからは6月~8月で総量約6千万m3(東京ドーム約49杯分)の利水補給を実施しました。

再開発前の目屋ダムが同様の利水補給をしていた場合、7月4日で貯水率がゼロとなり出穂期(7月28日から8月8日)の補給が不可能になったものと推測されます。

利水者の方からは、「今年の6月と7月の記録的な少雨にもかかわらず、津軽ダムの適切な管理・運用により、用水不足による影響を最小限に抑えることができたことに感謝しています。今後も異常気象に対応するため、情報交換を円滑に行い、引き続き協力をお願いしたいと思います。」との言葉をいただきました。

渇水の広報として、河川の水を利用する全ての人たちに節水意識を持って頂くため、頭首工での自主節水や利水ダムからの自主的に放流増量を行って頂いた施設が有ることを周知するとともに、施設管理者・関係者への感謝をこめて、X(旧Twitter)や当事務所ホームページによる広報を実施しました。あわせて、道路やダムの情報表示板を用いて、節水の呼びかけを行いました。

浅瀬石川ダム放流警報表示板での節水呼びかけ

国道7号道路情報板での節水呼びかけ

津軽ダムは、記録的な少雨という厳しい状況下においても、ダムの適切な管理と関係機関との連携により、地域住民や農業従事者の生活を支え、渇水の影響を最小限に抑えることができたと考えています。これからも津軽ダムは浅瀬石川ダムと共に、地域の水を守り、みなさんの暮らしを支える大切な役割を果たしていきたいと考えています。